ブログ64 26日の土曜日13時からのBSジャパン「子どもを守る」を是非ご覧ください

いつも「子ども虐待死ゼロを目指す法改正を求める署名活動」にご理解ご協力を賜っておりますことに厚くお礼申し上げます。

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さて、9月26日土曜日の13時から13時30分まで、BSジャパンで

「子どもを守るー包み込む社会へ」

という番組が放映されます。特別養子縁組に取り組む方や児童養護施設の取組、子どもの頃虐待を受けいま虐待防止に取り組む女性などが紹介され、その中で、私どもシンクキッズの「子ども虐待死ゼロを目指す法改正を求める署名運動」も取り上げられています。是非ご覧ください。

https://www.bs-j.co.jp/program/detail/23798_201509261300.html

 9月に入り千葉では児相が一時保護を解除し子どもが虐待死する事件が、札幌では児相が一時保護せず子どもが虐待死する事件が起こりました。千葉の事件では、以前のメルマガで述べたとおり、一時保護の解除が不適切でした。札幌の事件の詳細は不明ですが、一時保護しておけばもちろんですが、一時保護せずとも関係機関と連携し適切な頻度で家庭訪問し子どもの安否確認と親への指導・支援を行っていれば、虐待死は防ぐことができたのではないでしょうか。
 その間には長崎で児相が一時保護すべきなのに保護せず虐待が継続したとして10歳女児が児相を提訴するという事案がありました。長崎の事案は、母親にライターの火で左肩を焼かれるなどの虐待を受けたが、児相は母親が指導に応じなかったとして母親への指導を2回でやめ、その後要保護児童対策協議会が開かれ児相に対して一時保護を求める声が次いだが、児相は応じなかったとされています。
 私の知る限り児相は少なくとも過去10数年同じような対応を繰り返し多くの救えたはずの子どもの命を救えないでいます。

 その最大の原因は、子ども虐待は一つの機関で対応できるものでないにもかかわらず、児相が案件を抱え込み、警察等の他機関と情報共有も連携しての活動もせず、病院や学校、市町村の意見を無視し、必要な家庭訪問による子どもの安否確認・親への指導支援も一時保護もせず、子どもを危険な家庭にほったらかしにしていることにあります。
 児童福祉司1人当たり140件の案件を抱えながら他機関と情報共有も連携しての活動もしないでいれば、子どもを救えるはずはありません。
 しかし、誤解している方も多いのですが、児相の体制が弱いことが最大の問題ではないのです。アメリカやイギリスの日本の児相に当たる児童保護部局は日本の20~30倍の体制がありますが、警察と全件情報共有し連携しての活動をしています。アメリカやイギリスの児童保護部局では、担当するケースは職員一人当たり10件以内ですが、それでも警察との連携は必須なのです。子ども虐待は一機関だけで、児童保護部局だけで対応できるものではない、そんなに容易なものではない、という理解が、児童保護部局にも(もちろん社会一般にも)あるのです。にもかかわらず、日本の児相が一人当たり140件も抱えながら、警察等の他機関と情報共有も連携もしないというのは、厚労省も含め「子ども虐待問題をなめている」、のではないでしょうか。

 日本では、児相の人員が少ないという以前の問題として、児相が他機関と情報共有も連携しての活動もせず、通報した病院、学校、市町村の意見を軽視・無視するという、極めて閉鎖的、独善的な体質があり、これがいつまでもいつまでも児相が案件を把握しながら、みすみす虐待死させてしまう最大の原因です。
 子ども虐待問題は一つの機関では対応できないということを理解せず、というよりも、アメリカやイギリスで常識とされている取組は当然知っているでしょうから理解しながら、これまでの対応を変えるのが嫌で、必要な業務の改善をサボタージュしているとしか考えられません。

 政府のすべきことは、このような児相の職員を2~3名増員してよしとするのでなく(それでは何も変わりません。超過勤務の解消に消えてしまうのではないでしょうか。)、児相の強烈な他機関排除意識と独善的な体質、他機関との連携は嫌がるが、かといって自分では何もしない、という体質を改め、児相だけに任せる、児相だけでやろうとする仕組みを変えることです。それなくしては何も変わりません。そのためには法改正しかないのです。
 児相だけに任せる、児相だけでやろうとする仕組みでは到底対応できない、という意見は私どもだけではありません。児相OBの方や児相の現役の方、その他虐待問題に取り組む多くの方からも多数賛同の意見をいただいています。
 BSジャパンの番組を是非見ていただければと存じます。