ブログ77 緊急ネット署名のお願いと一時保護の基準を法律で明記を

 いつも「子ども虐待死ゼロを目指す署名活動」にご理解ご協力を賜っておりますことに厚くお礼申し上げます。

 緊急ネット署名「子ども虐待死ゼロを実現するため、児童相談所と警察が情報共有し、連携して対応するための法律を作ってください」を始めました。下記URLをクリックし、ネット署名画面を開き、ご賛同していただきますようお願い申し上げます。FBを使っている方はシェアしていただければ幸いです。

今国会での「児童相談所と警察 の情報共有と連携しての活動」 を規定する法改正を求める
《緊急ネット署名のお願い》

 さて、私どもの要望している法改正案の柱の一つとして、「児相の一時保護の基準を法律に明記する」がありますが、この点についても、私どもの要望に対して厚労省は黙殺あるいは無視してきました。本年3月29日に国会に提出した政府の改正案の中にも含まれていません。
 ところが、先月の相模原市児相が保護を求めた中二男子生徒のSOSに応じず保護せず、その後自殺した事件を機に、塩崎厚労大臣が一時保護の基準を作ると表明されています(下記神奈川新聞2016年4月24日)。

https://www.thinkkids.jp/wp/wp-content/uploads/2016/04/20180424.pdf

 大変素晴らしいことです。しかし、一体全体、これまで私どもは2年近くにわたり、35,000人の署名を集めて、日本医師会や日本小児科学会や企業経営者やジャーナリスト等多数のご賛同を得て、その必要性を多数の事例を基に訴え続け、本まで出して要望し続けてきたのですが、厚労省はずっと今まで無視してきました。塩崎大臣は私どもの要望をご存じなかったのだと思うのですが、厚労省の役人は一切私どもの法改正の要望の説明を大臣にしていなかったのでしょうか。
 それにしても、厚労省の役人は私どもの要望を歯牙にもかけなかったというのは、必要ないという判断だったはずですが、大臣が言うとコロッと考えが変わるのでしょうか。あー本当に役人には腹が立つ。是非この経緯は塩崎大臣にご承知おきいただきたいと思います。老婆心ながら、これでは大臣は、国会あるいはマスコミで「2年近く前からずっと厚労省に要望されていたのを知らなかったのか」と批判されるのではないでしょうか。相模原の事件を待つまでもなく、児相が親との対立を避けたいあまり、必要な一時保護をせずみすみす虐待死に至らしめた事例は枚挙にいとまがないのです。

 それでも(自分で怒りを鎮めて思うのは)、一時保護の基準を作る方向になったのはもちろん望ましいことです。しかし、まだ問題が残っているのです。上記神奈川新聞によると、厚労省は厚労省の通知で基準を作るといっているようです。これではだめなのです。地方分権の成れの果てというべきか、いわゆる自治事務である児童虐待対策について、国の機関である厚労省の通知や通達は自治体の機関である児童相談所に対して強制力がないのです。厚労省の出す通知や通達は「参考までに」という程度のお願いなのです。児相はそれに従う義務がないのです。これでは今までと何も変わりません。同紙に私がコメントしているとおり、私どもが一貫して指摘しているように(私は2014年9月30日に官邸で開かれた「児童虐待防止対策に関する副大臣等会議」に出席し、その旨を記載した下記文書(3頁)を配布し主張しました)、一時保護の基準は、児相が従う義務を負う法律(又は法律に根拠を有する規則)で規定しなければ、児相はこれまでどおり、親との対立を避けたいがため、腰を引いた対応をし続け、必要な一時保護をせず、子どもが救われない事件が続くだけなのです。このことは大臣にはきっとご理解いただけると思います。

https://www.thinkkids.jp/wp/wp-content/uploads/2014/09/2014.9regimen.pdf

 ようやくここまで来ましたので、もうひと踏ん張りするつもりですが、本要望は、現在実施している緊急ネット署名には入れませんでした。児童相談所と警察との情報共有とあわせ要望事項を2点にすると分かりにくいかと思い、含めませんでしたが、一緒にしてネット署名したほうがよかったかなとも思っています。いずれにせよ、こちらの点についても今国会で法改正し、法律に明記するよう働きかけてまいります。