ブログ104 愛知県で全件情報共有を実現していただきました

 高知県、茨城県に続き、前メールでご報告しましたとおり、愛知県で全件情報共有が実施されることになりました。4月16日、愛知県大村知事が記者会見で発表されました。

https://www.asahi.com/articles/ASL4H4DZ3L4HOIPE00F.html

https://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20180417/CK2018041702000241.html

 私が3月20日に大村知事にお会いして要望し、1ケ月もたたないうちに、県と県警とで合意し、直ちに全件情報共有を実施していただくことになりました。両組織の皆さんに厚くお礼申し上げます。知事のリーダーシップがあれば、かくも早く実施されるものかと、改めて政治の重要性について認識いたしました。同一の要望書を同じ日に名古屋市長あてにも提出しております。名古屋市にも一日も早く受け入れていただくようお願いしてまいります。何度も申し上げていることですが、全件情報共有が実現すると、県警は提供された事案について、児童の安全確保に有益な情報を児相に提供し、案件を抱え込むだけでは得られない情報を児相が多く得ることができ、一時保護等適切な対応が可能になります。また、児相が把握している家庭について警察が110番や相談を受理した場合等に虐待家庭であることを念頭に対応できることになり、対応する警察官が親から騙されて虐待を見逃し子どもを保護することができないことをなくすことも可能になります。
 埼玉県、大阪府でも、知事、副知事のリーダーシップで全件情報共有について合意し、実現に向け細部を詰めている段階です。
 兵庫県についても、昨年7月の知事あて要望書提出に続き、12月に児童相談所所長さん4人との意見交換会をセットしていただきその場で全件情報共有につきまったく異論が出ず、本年3月に自民党の県議の先生から相次いで児童相談所と警察の情報共有について質問していただき、その後金澤副知事に直接お会いして改めて要望し方向性につきご理解賜るなど、極めて期待できる方向に進んでおります。
 なお、愛知県警では、「児童買春などの性被害を受ける18歳未満が増加しており、愛知県警は被害防止に向けて4月から、子どもたちの支援に乗り出した。無料の性病検査や医師の面談、性教育セミナー、就学・就労支援を一元的に行い、性の意識改革や健全な成長をサポートしていく。全国の警察で初の取り組みとみられ、県警少年課は「継続的な支援で被害を減らしたい」としている。性の知識に関する小冊子も作製した。」と報じられているとおり、性犯罪被害を受けた子どもたちへの支援にも取り組んでおり、誠に素晴らしい取組です。これに加えて、今回合意していただいた愛知県と県警の児童虐待案件の全件情報共有と連携した取り組みの一環として、親から性虐待を受けた子どもたちに対しても、児童相談所と警察が連携して、まずは性虐待から救い、その後精神的なケアを含め立直りの支援に取り組んでいただきたいと思います。児童相談所と警察との連携が進めば、このようなこれまでほとんど手つかずの分野においても子どもをを守る取り組みが進むことが期待できます。愛知県には全国のモデルとなるような取り組みをお願いし、期待しております。

https://mainichi.jp/articles/20180411/ddq/041/040/005000c

 しかし、まったく改めようしないのは東京都です。目黒区結愛ちゃん虐待死事件を受け、3月5日に小池知事あてに再度の要望書を提出しましたが、何の返事もなく、改めようとする動きもありません。そこで、3月28日、東京都議会議長あてに児童相談所と警察との全件情報共有と連携して子どもを守る活動を求める陳情書を提出いたしました(陳情番号は30第20号)。

https://www.thinkkids.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/180328-tokyo.pdf

 今後各会派にお願いにあがるつもりですが、特に、都議会議員の方には陳情書にも記載しておりますとおり、このままでは東京都内の子どもたちは、関係機関が連携・協力して子どもを守ろうとする高知県、茨城県、愛知県(さらに実現間近の大阪府や埼玉県)等々の他府県の子どもたちと異なり、児童相談所の案件抱え込みにより虐待死させられる危険にいつまでも曝され続けることになるわけで、東京都の子どもたちはこういう状況に置かれているということさえご認識していただければ、必ずや小池知事に対して改善を促していただけるものと確信しております。江戸川区海渡くん事件、葛飾区愛羅ちゃん事件、足立区玲空斗君事件、目黒区結愛ちゃん事件など、児童相談所が知りながら案件を抱え込み虐待死に至らしめた事件がどれだけ続こうと、二度も知事あての要望書を出しても児童相談所(役人)はこれまでの自分たちのやり方を改めません。あとは都議会議員しかありません。国でも厚労省は全くやろうとしませんが、国会では2年も前に全会一致で全件情報共有を求める付帯決議をつけていただいております。これまでのやり方をいつまでも変えようとしない役人に、子どもを守るために有効な取組みをさせることができるのは、愛知県のように、政治しかないのです。政治が、役人を守る側に立つべきか、子どもを守る側に立つべきか、自明のことです。都民の皆さんには都議会議員への働きかけをお願いする次第です。