ブログ116 東京都条例パブコメに意見書提出&本年多くの府県で全件共有が実現

1 本年は、結愛ちゃん事件を引き起こした東京都、香川県には拒否されましたが、茨城県、愛知県、埼玉県、岐阜県、群馬県、広島県、神奈川県などには児童相談所と警察との全件共有と連携した活動を(岐阜県は直接お願いに伺っていないにもかかわらず)実現していただきました。心からお礼申し上げます。さらに現在いくつかの自治体で前向きにご検討いただいており、近々にいくつかの自治体で実現していただけるものと期待しております。
 来年は私どもの要望を拒絶されたままの東京都、香川県、千葉県・千葉市、兵庫県・神戸市や新たな自治体のご理解を賜るため、さらに各地に足を運びお願いさせていただく所存です。全件共有を実現していただいた府県では早くも効果が発揮されており、児相の方から「警察との理解、連携が進んでよかった」とのご発言もいただいています。こうしたことを上記東京都や香川県など拒絶される都県の方々に丁寧にご説明し、ご理解を賜りたいと考えております。

2 2018年12月29日、結愛ちゃん事件を引き起こしながら警察との全件共有を拒否したままの東京都が制定予定の子ども虐待防止条例のパブリックコメントに添付の通り意見を提出しました。ご覧いただければ幸いです。要約しても長いのですが、主たる要望事項は、条例に虐待対応の基本理念あるいは基本方針として、

〇児童虐待への対応に当たっては、子どもを守ることを最優先としなければならず、親との信頼関係の確保など他の事情を優先してはならない。

〇児童虐待は一つの機関が案件を抱え込むことなく、児童相談所、市町村、警察、病院、学校等の関係機関が情報共有の上連携して対応することとする。

〇関係機関は、相互理解の上信頼関係に基づき効果的な連携活動を行うことができるよう、連携して活動するための指針の策定、定期的な合同研修を行うなど連携確保のために必要な措置を講ずるものとする。

と規定し、さらに、

〇児童相談所、市町村と警察はそれぞれが把握した案件につき、漏れなく確実に(全件)情報共有の上、連携して子どもを守る活動を行うものとする。

〇警察は自ら把握した案件及び児童相談所、市町村から提供を受けた案件につき、110番、相談、DV対応、巡回連絡やパトロール、迷子・深夜徘徊児の保護活動その他の警察活動等で対応した場合には、その状況を児童相談所、市町村、学校、病院等の関係機関に速やかに通報するものとし、さらに、警察は児童相談所または市町村に、把握している虐待家庭に係るDVその他の暴力的な事案に関する情報、被害児童の深夜徘徊、家出、犯罪やいじめ等の被害、非行等の情報について提供するものとする。

〇児童相談所、市町村は、児童に傷が認められる場合、衰弱していると認められる場合、性被害を受けている疑いがあると認められる場合、保護者から児童の安否確認を拒否された場合、通報先が不明の場合等特に子どもに危険が生じているおそれがあると認められる場合には、直ちに警察に通報するものとする。

という事項を条例で規定するよう求めるというもので、東京都及び都議会に対して、

東京都及び都議会は、先進的な他府県、先進的な海外の取組にならい、児童虐待は一つの機関で対応できるほど甘いものではなく関係機関が連携して対応することが必要不可欠であるという謙虚な姿勢に立ち、さらに、東京都の子どもたちは、高知、大分、大阪、愛知、神奈川、埼玉、茨城、群馬、広島などに住む子どもたちのようには関係機関が連携して守られておらず、児童相談所が案件を抱え込んだまま多くの子どもたちが危険な状況に放置され続けているという厳しい事実を認識の上、「Working Together―関係機関が一緒にがんばろう」という理念に基づき、児童相談所だけでなく関係機関が連携して取り組み、ベストを尽くして子どもを守ることができることとなる効果ある条例を制定することを強く望みます。
と要望しております。

来年こそ全国で児童相談所が案件を抱え込むことなく、関係機関が連携しベストを尽くして子どもたちを守る態勢を整備し、「子ども虐待死ゼロ」に少しでも近づけるよう取り組んでまいる所存です。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。