ブログ124 野田市の検証委員会の委員となりました。野田市が全国のモデルとなるような態勢の整備に尽くします

 結愛ちゃんの死を無にしないためにも、児童相談所と警察の全件情報共有と連携しての活動を求める署名にご賛同お願いします。ネット署名と署名用紙による署名と用意しています。

https://www.thinkkids.jp/

 昨日2月14日にリリースされましたが野田市に設置される検証委員会の委員となり、本日15日野田市長さまと面談しました。野田市長様は、二度とこのような痛ましい事件を起こさないためベストの態勢をつくる、そのために検証委員会で議論していただくが、結論が出るまで何もしないのではなく緊急にできることはすぐにでも進めると言っていただきました。全く的確なご判断で、私もできる限りのお手伝いをさせていただき、野田市を全国のモデルとなるような、子どもを守るために関係機関が連携してベストを尽くして子どもを守る態勢の整備に尽くしてまいりたいと思います。

 これまで、私は国、自治体に要望し続けてきましたが、一度としてこのような検証委員会の委員を委嘱されたことはありません。私も長年役所勤務していましたので分かりますが、役所が役所の方針と全く異なる意見を有する者をメンバーにするわけがなく、厚労省や東京都、千葉県等の連携を全くする気のない自治体が、児童相談所と警察の連携を訴える私のような人間を委員に委嘱するはずもありません。私は野田市長様の本気でベストの態勢を作ろうという決意を感じました。

 私のような人間を抜きにして作られる検証委員会の結論は見えています。これまでもそうでしたし、これからもそうでしょう。柱が、

  • 児童相談所の職員の増員、前倒し
  • 職員の専門的能力の向上のための取組

 -研修の強化、スーパーバイザーの設置、児童福祉士の国家資格化の検討、精緻なリスクアセスメントシート、チェックリスト作成とそれに基づく判断の励行・・

で、そして、おざなりで、

●関係機関の連携強化―しかし、警察との連携は記載しない、あるいは記載しても中途半端なもの。全件共有は打ち出さず、一部の情報共有にとどめる
 というものでしょうか。今回の事件で明らかになった、「児童相談所職員が親に逆らって怒られたくないという心理から、親の言いなりになり、警察とも連携せず、子どもを危険にさらす対応を平気で行う体質」であることに気づかず(あるいは意図的に目をつぶり)、児相も大変なんだ、人手不足なんだとか、児相が警察と連携さえしていれば救えるはずの結愛ちゃんや心愛さんもを救えなかった上記の原因とは関係のない、真の原因をごまかすかのような理由に基づいて打ち出されるものです。何度も言っていますが、親に逆らって怒られたくないことから、親の言いなりになり警察とも連携しない職員をいくら増員しても何も変わりません。心愛さんを危険であることが明らかなのに家に戻した千葉県の児童相談所は職員が一人で決定したわけではありません。数名から10名ぐらいで検討会を開いて決めているのです。そんな職員を何人増やしても同じ対応をするだけです。また、千葉県の児童相談所は心愛さんの父親が危険だということは分かっているのです、だけど、怖いから逆らわないでいようとして、言いなりに親の元に戻し、一度も家庭訪問をしていないのです、アセスメントシートをいくら精緻に作っても、判断を「軽」にして、ほったらかしにして、虐待死させられたら記者会見して「判断が甘かったと唇をかむ」とあほなマスコミが報道してくれて、「専門性の向上に努めます」と言っていれば、それですむ、となるだけです。本当にそれですんでいるのです。これまでは。多分このままではこれからも。

 昨年7月20日の政府の緊急対策もそうですし、どの自治体のも同じようなものですが、下記の平成26年11月千葉県市原市乳児虐待死事件に関する、平成30年5月の千葉県社会福祉審議会の「児童虐待死事例検証報告書」(委員長川﨑 二三彦 子どもの虹情報研修センター長 )にはさすがに絶句しました。

https://www.pref.chiba.lg.jp/jika/jidou/press/2018/documents/00dai4jihoukoku.pdf

 この事件は、今回の心愛さん事件と全く同様に、生後2ケ月で腕を骨折させられた賢大ちゃんにつき病院が児童相談所に通告したにもかかわらず、千葉県の児童相談所は父親が否定し虐待とは断定できないとして(一時保護しましたが)警察に連絡せず、その後一時保護を解除し(その連絡も警察にはしないまま)、1ケ月後に父親に虐待死させられた事案です。警察に連絡し警察が捜査していれば父親による虐待と分かり、賢大ちゃんの命を救えた事件でした。私はこの事件の児童相談所の対応がひどすぎるとして、一昨年9月に千葉県に要望に行ったのですが、この報告書では、「第3章 課題解決に向けての提言  関係機関の取組に関する提言 検証からみえてきた課題の解決に向けて、次の提言を行うこととした。関係機関、県には、 この提言への早急な対応を求めるものである。」とある部分で、警察との連携強化とおざなりでも記載されているのかなと思いましたが、警察の「け」の字も出てきません。この事案は、乳児の骨折で医師も虐待の疑いが強いという意見を得ながら、親の言いなりに、警察に連絡もせず、家に戻して、やはり警察に連絡もなきまま虐待死に至らしめたというもので、通常の社会常識のある一般の方なら「警察と連携していたら救えた」と思われると思いますが、千葉県の報告書の提言には「警察の「け」の字もない」のです。

 委員長は児童相談所OBで、副委員長の一人は元児童相談所所長の方です。内輪の人間で、現役の児童相談所の本音をよく分かり、嫌なことは言わないということで人選されたのではと想像しますが、警察との連携に触れもしない。警察の「け」の字もない、というのはさすがに信じられません。千葉県は私の要望は蹴飛ばせても、この委員会がせめて警察との連携を打ち出していれば、心愛さん事件は防げたかもしれないと思うとやりきれません。今後、検証委員会の委員には、児童相談所の理解者・擁護者と思われる方は少なくする、通常の社会常識を有する一般人を増やすべきと考えます。