ブログ147 京都府で全件共有が実現(していました)、埼玉県で児相と警察署の間でリアルタイム

1 本日(2020年1月17日)京都府の家庭支援課を訪問し、児童相談所と警察との全件共有と連携しての活動をお願いしたところ、既にやっておりますとのご回答をいただきました。ありがたい限りです。私どもの知らないところでやっていただいている自治体が結構あるようで、大変うれしい限りです。これで私どもの知る限り全件共有は29自治体(既にその方針を公表している大阪市を含む)で児相設置自治体の4割を超え、近々数自治体で実現予定ですので、いよいよ全国の半数の自治体で全件共有と連携しての活動が実現する見込みです。

2 また、一昨日(2020年1月16日)の埼玉新聞によると、埼玉県が、県の各児童相談所と各警察署の間でリアルタイムで情報共有するシステムを整備していただきました。埼玉県では一昨年から全件共有を実施していただいていましたが、これまでは児相と県警本部の間での情報共有で、しかも、データの更新が1月に1回で、最新の情報の把握が遅れる可能性がありました。今後は、児相で情報を書き込むと1時間ごとに更新され、警察も情報を時間差なく知ることができるようになるとされています。直ちに子どもを守るために動く警察署がリアルタイムで虐待されている子どもの最新の状況を情報共有できるようになり、さらに連携して的確に子どもたちを守ることができることはもちろん、両機関の業務軽減になり、より子どもを守る活動に割く時間が増えることになります。ありがたい限りです。岩手県や神奈川県でも、児童相談所と警察本部の間で情報共有のシステム整備がなされ、大阪市等いくつかの自治体でもシステム整備が進められていますが、いずれ埼玉県のような各児童相談所と各警察署の間でリアルタイムで情報共有するシステムの整備に向かうものと期待しております。
 さらに、埼玉県では、行政、警察のほか、医師会、歯科医師会、民生委員、弁護士等の12の機関で「埼玉県児童虐待防止対策協議会」を設置し、児童虐待根絶に向けた課題の共有、意見交換、提言等を行うとされています。  埼玉県のこのような取組は、子どもを虐待から守るためには児相という一つの機関でなく、警察、医師、歯科医師、民生委員等子どもを守ることができる多くの機関の連携が必要だという明確な考えに基づくもので、これまで支配的だった縦割りで、児相が他機関と連携せず案件を抱え込むという閉鎖的な対応を排するもので、誠にありがたい限りです。
 前記のように近々に全国の半数で全件共有と連携しての活動が実現される見込みで、これまでのように縦割りのまま、児相が他機関と連携せず案件を抱え込むという閉鎖的な対応を続ける児童相談所は少数になりつつあります。しかしながら、結愛ちゃん事件を引き起こした東京都、香川県、心愛さん事件を引き起こした千葉県、詩梨ちゃん事件を引き起こした札幌市、璃愛来ちゃん事件を引き起こした鹿児島県、田川市エアガン事件を引き起こした福岡県、その他北九州市や福岡市、兵庫県などこれまで警察と全件共有し連携して取り組んでいれば救えたはずの子どもを救えなかった自治体ほど、このような事件を引き起こしても、私どもが何度要望しても全件共有を拒否し、閉鎖的対応を続けています。これらの自治体は是非埼玉県を視察して、自分たちの対応がいかに縦割り、閉鎖的で子どもたちを守れないことになっているかを実感してほしいと思います。おそらく、これらの自治体の児童相談所は他府県の先進的な取組を知ろうともしないのだと思います。

3 また、昨年(2019年)10月15日、神戸市教育委員会あてに学校の運動会で負傷する児童を多数出しながらいまだ続けている組体操の禁止、及び東須磨小学校事件にみられるような教師による集団暴力事件を引き起こす体質を改善し、学校でいじめ・虐待から子どもを救い守る活動を行うことを求める要望書を提出し記者会見しましたが、昨年末に組体操については禁止するとようやく受け入れていただきましたのでご報告します。

神戸新聞:https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201912/0012976052.shtml

 児童生徒に多数の重傷者が続きながら、多くの批判を受けながら、長年にわたり組体操を止めなかった神戸市の教育委員会や学校の対応は、「我々は専門家である。他機関は口出しするな」と外部の意見を排除し、その結果子どもがけがしようが何しようが「専門家の判断の結果であるから問題なし、改善する必要なし」とする閉鎖的・独善的体質によるものですが、これは、警察等と情報共有も連携もせず連携すれば救えたはずの子どもの命が救えない事件が起きても問題ないとする従来の児童相談所の体質と同様です。
 ようやく、神戸市教育委員会は対応を改め、多くの児相も改めてくれています。あとは、上記の連携すれば救えるはずの子どもを救えなかった事件を引き起こした東京都、千葉県、札幌市、鹿児島県、福岡県、福岡市、北九州市、兵庫県、香川県等の自治体に、いい加減に閉鎖的・独善的な対応により子どもを救えない対応を改め、多くの関係機関が連携して子どもを守ることができる態勢に改めるよう、働きかけてまいります。