ブログ165 検査数を増やし感染状況を正確に把握、緊急事態宣言の上、特措法を改正し最悪の事態に備えるべき

1 3/29のTBSサンデーモーニングで、ドイツはPCR検査を徹底、症状別に振り分け軽
症者は自宅待機等により医療崩壊を回避し、致死率0.7%(3/29日経)、近々週50万件の検査が可能となるという一方、日本は最近の週で検査9337件、致死率3.7%と報道されていました。ドイツは日本と検査数に実に50倍もの差があります。そして「独政府が検査を徹底してきたのは理由がある。感染者を早期に発見することで外出自粛などを促し、重症化しやすい高齢者への接触を避けることが可能になった」(3/29日経)ということです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57375540Y0A320C2EA3000/

 このブログで何度も言っております通り、日本はなぜ検査対象をこれほど限定しているのか、症状のある人をなぜ4日も待たせるのか、医師が必要と判断したものをなぜ検査しないのかと主張しますと、多くの医師の方から「素人はこれだから困る。医療崩壊するだろうがー」とすぐ言われるのですが、論理の飛躍というか、議論のずれがあると感じています。同番組で堀順天堂大学教授は、「8割が軽症、2割が重症。2割を救うため日本では今のような検査をしている。今のところ死者数少ないし問題ない。ドイツとはポリシーの違い」概ねこのような説明をされていました。しかし、ドイツは検査を徹底した上で、正確に感染の実態を把握し、政府が適切な対策をとれるようにするとともに、しかも医療崩壊を回避し、上記記事のように感染者を早期に発見することで外出自粛などを促し、重症化しやすい高齢者への接触を避けることが可能になり、致死率も低いのです。ドイツのようにやらない理由は何なのか。検査数の拡大=医療崩壊ではないでしょう。誰も全国民を検査しろとは言っていません。知恵を出せば、ドイツのように、大阪府が提唱しているように症状別に病院を振り分けるなどすれば、医療崩壊を回避しつつ検査数を拡大していくことは可能でないでしょうか(中村祐輔先生も同旨。下記ブログ参照)。「ポリシーの違い」で正当化できるものではなく、知恵を出してどのような方法が最も効果があるかで決めるべき問題です。
 もちろん私は日本の「専門家」の方のお考えのとおりに、爆発的感染を抑えることができることを心から願っておりますが、一般論ですが、「専門家」というのはえてして、自分の狭い領域だけで研究していることを政府も国民も念頭に置く必要があります。リスク管理の専門家である中西準子先生の「食のリスク学」では、「専門家の意見は、まず偏っていると思ってつきあった方がいいかもしれません。」「研究者はある種異常な関心を狭い分野に向ける。よい研究者ほど、狭いことを深くやるという感じです。その結果どうしても偏見が出てくる。ほかのものと比較することが不得手となります」「誤解を恐れずに言えば、自分に都合のいいところだけを世間に広める、といったことがどうしても出てくる。やはり研究者の限界を考え、研究者の特性を考えるということが必要です。国民がそのことをよく理解する必要があります。」「行政機関が審議会の委員を選ぶとき、マスコミが専門家として何かを書いてもらうときも、非常に狭いことをよく知っている人と、広く見て検討できる人を対置するべきです。スウェーデンの審議会のメンバーは、技術的な問題であっても、文学者や心理学者などがいます。ところが、日本は技術者だけ、医学者だけになってます。もっと広い分野から選ぶべきでしょう」(p178、p179)とされています。
 上記はもちろん一般論ですが、日本の医師の「専門家」の方にも少し感じるところがありまして・・・。児童虐待の「専門家」の医師の集まりである「日本子ども虐待防止学会」(会長奥山真紀子医師、事務局長山田不二子医師)も同じような発想です。児童相談所が案件を抱え込まず警察と情報共有し連携して活動したほうが子どもを確実に守れるでしょう、アメリカ、イギリスではそうしてますよといくら言っても、「今の日本の(自分たちが主張してきた)やり方でいい。児童相談所が必要と判断した場合に限り警察と連携すればいい」と言い続け、千葉県や東京都など多くの児童相談所では今でもごく一部しか警察と連携しません。その結果結愛ちゃん、心愛さんら救えたはずの子どもの命を救えない事件を繰り返しているのです。自分や自らの所属する専門家集団のポリシーやこれまでの方針、思い込み、好き嫌いで決めるべき問題ではないのです。どのような対策が最もベストか、外国の取組も参考に、「素人」の声にも、他職種の専門家の意見にも耳を傾け、自分たちの今までのやり方に固執するのでなく、どのような取組が国民の、子どもの命を最も救えるかで決めるべき問題でないでしょうか。

 何度もいっていますが、検査数が少ないので、正確な感染者数がいつまでも分からず、政府が必要な対策を取らないのではなでしょうか。しかもドイツと異なり、無症状の感染者が知らないまま感染を高齢者や障害者施設の方々に拡大させているとうリスクもあります。検査数、判明した感染者数が少ないことから、「大したことない、大丈夫、大丈夫。今の検査のままでいい」という楽観論に「専門家」の多くがひたり、「専門家会議」が3/19に非常に甘い見解を出してしまいました(その前後の専門家会議の岡部所長、押谷教授らの、緊急事態宣言を出すような状況でない、今の検査の在り方で問題ない旨のコメントにつき下記ブログ参照。ただし、北海道大学西浦教授、中村祐輔先生等一部の医師の方は大変危機感を持っておられることも下記ブログ参照)。

http://www.thinkkids.jp/archives/1869

 それに安心して安倍総理も以前の「丸投げ」に戻ってしまい、文科大臣が4月から全国で学校再開すると宣言し、少なからずの知事も楽観論にひたり、国民の多くも3月20,21,22日の連休に通常の生活パターンに戻ってしまい、その結果、爆発的感染直前、あるいは、検査数が少ないので分からないだけで既に爆発的感染になっている、のではないでしょうか。

2 東京都の小池知事は「強い危機感」を持っておられるようですので(3/29読売)、安倍総理は直ちに特措法に基づく緊急事態を宣言し(32条)、東京都をはじめとする危機的状態にある都道府県の知事の判断に対策をゆだねるべきです。このままでは、政府も自治体も責任を取らない「丸投げ」のままで、効果のない自粛要請を続けるしかできず、さらに感染が爆発的に拡大させることになります。爆発的感染が起こってから出しても全く意味がないのです。ニューヨーク州の爆発的感染をみれば、おそすぎるくらいではないでしょうか。

3 さらに、特措法の改正が必要です。特措法は、住民に外出しないよう「要請」する(45条1項)、学校やイベント主催者に休校、中止等を「要請」する(従わなかったときに「指示」)(45条2,3項)ことしかできない、非常に拘束力の弱い、今の「自粛要請」とほとんど差のない内容の法律です。これでは宣言に基づき、知事が外出禁止の要請、イベントの自粛要請をしても、現在の自粛要請があまり効果がないように、さほどの効果は期待できません。
 また、他国のように、感染爆発が起こった場合には、(興行場以外の)店舗の閉鎖、出勤の抑制、満員電車の緩和等の措置も必要となりますが、これらの措置は全くとることができません。

 諸外国の法律を参考にしてースペイン、フランス:外出禁止令が出され違反に罰則、アメリカニューヨーク州で在宅勤務を命ずる知事命令が出され違反に罰則(3/26朝日新聞)―効果のもう少し期待できる法律を早急に整備し、できれば必要な補償等の規定も整備し(補償は予算措置で可能ですので法律は不可欠ではありませんが)、さらなる最悪の事態に備えるべきと考えます。
 諸外国では、国の強い、違反には罰則の担保も伴う命令に対して、多くの国民は支持しているとされています。そりゃそうでしょう。
 誰も一部住民の無責任な、無謀な行動により、また、この期に及んでも「私権の制限は許されない」という一部野党、マスコミ、弁護士などの主張、あるいは「今のやり方でいいんだ、強い措置は不要」と自分の主張に固執される一部の専門家の意見に引っ張られて、自分や家族が感染し、死亡するようなことになりたくないのです。どうか日本でも、政府、国会は、国民の命を守るため必要な法改正に直ちに直手するよう強く求めるものです。