ブログ167 本日新型コロナウィルス感染拡大に伴う休校措置、外出自粛による虐待増、虐待悪化防止のための緊急要望書提出

 新型コロナウィルスの感染拡大により、学校の休校措置、外出自粛がなされることにより、家庭内での子どもへの虐待、DVの増加が強く懸念されておりますことから、本日、下記の要望書を内閣総理大臣、厚労大臣、文科大臣、国家公安委員会委員長、東京都知事、千葉県知事、福岡県知事、兵庫県知事、横浜市長、千葉市長等に提出しました(担当局長・課長等にメール。正本は郵送)。

https://www.thinkkids.jp/wp/wp-content/uploads/2020/04/20200403-1.pdf

 家庭という密室の中での逃げることも助けを求めることもできない子どもへの虐待は外部から分かりません。このような虐待されている児童を救い、守るためには、児童相談所(児相)という一つの機関だけでその子どもを見守るよりも、多くの関係機関の多くの目で子どもを見守ることとするほうが、子どもにとり安全なことは自明です。児相という一つの機関だけでは家庭訪問もほとんどできず、子どものあざや傷、家から出されている状況、家庭での怒鳴り声、DV事案など子どもの危険な兆候の多くを把握することはできません。しかし多くの機関で連携・分担すれば虐待家庭への家庭訪問はより多く可能となりますし、警察官のパトロールや民生委員による地域の巡回等により注意深く子どもを見守れれば、より多くの虐待の兆候を把握することができますし、親への指導支援もより可能となります。そして、このように多くの機関でできる限り多く把握した兆候をすべて児相に集約することで、児相がリスク判断をより適切に行えることとなり、一時保護を含めて処遇の適正化を図ることができます。新型コロナウィルスの感染拡大が続く現在、子どもを虐待から救うため直ちにこのような対応を取る必要があります。

 ところが、東京都や千葉県、福岡県、兵庫県、香川県、鹿児島県、横浜市、札幌市など本要望書発出先の自治体では、私どもの何度にもわたる要望にも応じず、いまだ児相が警察とごく一部しか虐待案件を共有せず連携もせず、虐待案件を抱え込み、家庭訪問もごくまれにしか行わず、結愛ちゃん事件、心愛さん事件、詩梨ちゃん事件、璃愛来ちゃん事件など救えるはずの命を救えない事件を繰り返しています。このような児相の閉鎖的対応のままでは、休校措置、外出自粛が続く中、閉鎖的な家庭に虐待親と共に長時間過ごさざるを得ない子どもたちへの虐待増、虐待の悪化が強く懸念されます。

 そこで、既に全件共有の上連携しての活動に取り組む大阪府、埼玉県、神奈川県、愛知県、北海道など全国の半数近くの自治体にならい、児相と警察等関係機関の密接な連携により、新型コロナウィルスの感染拡大により懸念される虐待増に対しても適切に対応することを求める要望書を提出したものです。

 厚労省、警察庁には全件共有と連携しての活動を行うよう協議の上早期に方針を自治体におだしいただくことを強く求めます。また、東京都、千葉県、福岡県、兵庫県、横浜市、千葉市等には既に半数近くの自治体で実施していただいている、全件共有と連携しての活動を直ちに実現していただくようお願いいたします。新型コロナウィルスの感染拡大により休校措置、外出自粛は仕方のないことですが、それにより、児相と警察が連携すれば救えたはずの子どもの命が救えないという事件は決して起こしてはなりません。