ブログ169 ようやくの緊急事態宣言に続き、虐待防止対策、法改正と検査増が不可欠

1 4月7日、遅きに失しましたが、緊急事態宣言が出されました。いよいよ家庭内で親が子どもと一緒にいる時間が増え、経済的にも苦しくなった親などからの虐待の増加、悪化が確実に予測されます。4月3日付で、「新型コロナウィルス感染拡大に伴う休校措置、外出自粛による虐待増、虐待悪化防止のための緊急要望書」を厚労省・文科省・警察庁と、東京都、千葉県・千葉市、横浜市、福岡県・福岡市、兵庫県など、今でも児童相談所が虐待案件を抱え込み警察と一部しか連携しようとしない自治体の知事あてに提出しました。「外出制限でDV増加懸念 国連機関が警鐘 新型コロナウイルス」と報じられています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012371791000.html

児童相談所が案件を抱え込む今のやり方で、特に、今より虐待親と子どもが長時間家庭で一緒に過ごす時間が増えるこれからは、子どもを守れるはずがありません。東京都、千葉県・千葉市、横浜市、福岡県・福岡市・北九州市など特に緊急事態宣言が出された自治体では、早急に児童相談所と警察で全件共有の上連携して家庭訪問するなどし、多くの目で子どもを守る態勢を整備しなければなりません。4/7の総理の記者会見でも記者から質問が出されていました。厚労省、文科省、警察庁にはこれらの自治体に指導するよう強く求めてまいります。

2 さて、宣言ですが、宣言前から「都市封鎖でない。誤解がある。強制力もなく今までとあまり変わらない」というような発言を総理も専門家ももにされていたこともあり、メッセージとして国民に強く危機感を持たせるものでありませんでした「現在の特措法は極めて緩い内容なので、今は「要請」しかかできません。絶対家にいてください。政府は直ちに最悪に備えて都市封鎖も含めてより厳しい措置ができる法改正に着手します」とより厳しいメッセージを出すべきであったと考えます。
 人との接触を7割、8割減らす、という目標は北海道大学西浦教授間のご見解を受け入れられたことは賢明なご判断だと思います(ただし98%減らさないと効果がないとの研究もあり(4/7毎日)厳しく判断することにことしたことはありません。)。しかし、それを「外出自粛要請」と「学校休校、興行場・イベントの中止要請」(しかも罰則なし)で達成できるとは考えるのは楽観的に過ぎるのではないでしょうか。外出自粛要請と言われても、テレワークのできる人は一部で、多くの人は企業から求められれば出社せざるを得ません。政府の今の対策で、特措法の枠組みで人との接触を7、8割減らすことを実現できるというのはリスク判断として根拠なく甘すぎるのではないでしょうか。しかも、休業要請は東京都が11日から外出自粛のほかに事業者に休業を要請をする方針の一方で、国は「今回の宣言で外出自粛が自主的に進む認識」で「効果が出る2週間後に向けた対策を考えるべき」と対応に隔たりがあると報じられています(4/8テレ朝モーニングショー)。この期に及んで「2週間様子見!」とは本気でしょうか。こんな中途半端な対応ではさらに効果も出ないでしょう。
 4月7日の日経では「米欧都市封鎖、効果に時間」と題し、イタリアでは3月10日に全土での強制力を伴う外出制限に踏み切ったが、増加ペースの鈍化まで半月余りかかった。外出する場合は証明書を携帯することとされ違反には最大約35万円の罰金だが、それだけ厳しい行動制限でも感染の終息はまだ見通せない、と報じられています。日本の緊急事態宣言は、諸外国と異なり、罰則も強制力もなく、今のままではおそらく満員電車もさほど変わらず、これまでどおり多くのサラリーマンはランチは同僚と一緒に食べるのではないでしょうか。「日本人は欧米人と異なり強制されなくても、要請に従うから大丈夫」と言われる方も見受けられますが、それは「日本人は大和魂があるから英米には負けない」というのとあまり変わりません。

何度も言っておりますが、児楽観論は捨てて、最悪に備えてー緊急事態宣言でも感染拡大に歯止めがかからず、医療崩壊に至ることも予測し、欧米並みの対策を講じなければならないことに備えてー直ちにより実効ある対策がとれるような法改正に着手すべきです。行法の「要請」に強制力を持たせるほか、営業停止を命ずることのできる業種の拡大等が必要です。また、満員電車、仕事を通じての感染防止対策が今は全く不十分ですので、テレワークなど企業の任意の「協力」に期待するのではなく、政府から業種ごとに企業に対して出社抑制を強く求める(場合によっては命令)ことのできる法制度の整備も必要と考えます。このような事態にならなければ、もちろん強い対策は取らなくていいのです。しかし、最悪に備えて今から準備しておかないと、そのような強い対策を講じても惨憺たる状況となっているイタリア、スペイン、アメリカなどの諸外国よりさらに悲惨な状況に陥ってしまうのです。
 また、今回もこれまでのメッセージの出し方も前述のようにそれほど国民に強く危機感をうったえるものでなかったことも効果につき懸念されるものです。WHO事務局長上級顧問も務める、公衆衛生・感染症対策の第一人者である渋谷健司教授は、安倍総理や小池都知事の会見について「グーグルが公表したデータを見ると、これまでの自粛要請の効果はほとんどなかった。イギリスも社会的隔離やイベント中止でやっていたが、全く追いつかなくなったので、結局はロックダウンした。欧州の他の国も同様だ。やはり“今やらないと感染者が急増し、医療も崩壊するし、社会が混乱する”という危機感をきちんと共有せず、“これはロックダウン=都市封鎖ではない”“今までとあまり変わらない”と言ってしまうのはコミュニケーションとしては逆効果なので残念だ。“家にいてほしい、運動もできる”、という強力なメッセージが必要だった」と指摘する。」とされており(4/7AbemaTIMES)、同感です。極めて残念です。

3 続いてPCR検査増です。これも何度も言っておりますが、安倍総理が1日2万件の検査をおこなう態勢を整備すると言っていただいておりますが(7日)、いつまでたっても検査が増えません。東京都は相談した人の2.2%しか検査を受けさせません(ただし、茨城県は95.8%。産経4/5)。医師が必要と言っても保健所が断るという例が多いのが現状です。こんなことをしているから、無症状・軽症者による感染拡大が止まらず、医師・看護師にも感染させ、医療崩壊の危機をもたらしているのです。東京都医師会も「医療的緊急事態宣言」を出され(4/6)、「感染患者の受け入れ応力をアップした上で、PCR検査の件数を増加させ、早く感染症患者を拾い上げる必要がある。」と主張されておられます。いいかげんに厚労省・東京都は(他府県でも検査が少ないところは)、 保健所が人手不足で大変だというのなら医師会等と協議の上保健所を通さず検査できるシステムを整備するなど工夫をし、症状のある人や濃厚接触者には確実に検査し、今のような無症状・軽症感染者による感染拡大を少しでも少なくすべきです。感染者をトリアージし医療崩壊を回避しつつ、ドライブスルーなど様々な方法で検査を徹底しているドイツや韓国など海外の優れた取り組みにならうべきです。これまで厚労省・「専門家」の言っている「検査数を増やすと医療崩壊になる」のではなく、「検査しないから医師・看護師を含む多数に感染させ、医療崩壊になる」のではないでしょうか。「警察と連携すれば虐待親が嫌がるから児童相談所は警察と連携しない」という厚労省・東京都・千葉県等の自治体・「専門家」の医師の見解と、「児童相談所と警察、市町村等多くの関係機関が連携して子どもを守るべき」という私どもの要望を受け入れていただいている大阪府・神奈川県等の自治体の見解と、どちらが子どもを守ることができるのか、という議論と似たような構図で、デジャブです。お役所や「専門家」に任せっきりにしてはいけないということを、国民はよく理解する必要があると考えます。