ブログ200 岡山市真愛ちゃん虐待死事件を受け岡山市長に要望書提出し記者会見しました

岡山市北区で、2021年の9月に西田真愛ちゃんが(当時5歳)、母親と内縁の夫から暴行され、裸にされ、椅子の上に置かれた鍋の上に3~6時間立たされ続け、鼻や口に手指を突っ込まれ、裸で扇風機の風を当て続けられるなどの凄惨な虐待を受け、脳死状態になり、本年1月に死亡し、本年2月9日、母親と内縁の夫が強要罪で逮捕された事件を受け、2022年2月24日、岡山市長、岡山県警察等に再発防止を求める要望書を提出し、ZOOMで記者会見しました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20220224/4020011877.html

https://mainichi.jp/articles/20220225/ddl/k33/040/343000c

https://www.thinkkids.jp/wp/wp-content/uploads/2022/02/20220224.pdf

岡山市では、2011年に児童相談所が関与しながら、母親が自宅アパートで当時16歳の麗さんを裸にしてビニールひもで手や足を縛った上、約5時間にわたって浴室に立たせて監禁し、死亡させた虐待死事件が起こっています。このときも、岡山市の児童相談所は、多くの回数けがやあざをあると学校から通報され、本人も母親に叩かれた、母親から腹を殴られ痛い、家から出たい、逃げたいと訴えていたにもかかわらず、「緊急性は低い」と判断し、警察に連絡もせず、一時保護もしませんでした。私は、このような事件が起こっていることから、2018年岡山市・岡山県を訪問し、このままでは同じような事件が起こってしまうから、児童相談所に警察と全件共有し連携した活動を行う態勢の整備を要望しましたが、受け入れられないまま、本事件が起こってしまいました(岡山県にも受け入れられていません)。本事件でも、児童相談所が警察と連携していれば、何度も真愛ちゃんを救える機会がありました。

1・ 2019年4月、内縁の夫の暴力を疑う通報が寄せられ、児童相談所は真愛ちゃんの額にあざがあることを確認しながら、母親から「どこかにぶつけた」「そんな人はいない」と言われ、児童相談所は母親のネグレクトと判断し、内縁の夫の確認をせず、身体的虐待とも認定せず、虐待リスクを「軽度」と判断した。
2・ 同年6月には真愛ちゃんが迷子として警察に保護され、児童相談所に通告されたが、児童相談所は「軽度」の判断を変えなかった
3・ 2020年9月には真愛ちゃんを夜間に墓地に全裸で連れ出し叱責するという異常な言動につき、警察から通告を受け、一時保護しながら、「もうしない」と言われたため、14日で家庭に戻し、「軽度」の判断を変えなかった
4・

など多くの不適切な対応が挙げられます。

一貫して見受けられるのは、ひたすら保護者の言い分を真に受け、必要な調査しないまま、警察と連携もしないまま、真愛ちゃんの安否を確認しないまま、虐待リスクを甘く判断し続けていることです。こんな対応では、子どもの命を守ることはできません。

 詳しくは、要望書をご覧いただければと存じますが、児童相談所が、案件を抱え込むことなく、①の時点で、警察に連絡し、内縁の夫の所在調査と事情聴取を依頼、③の時点で、極めて異常な家庭でありリスクが高いと認識し、警察と協力してより頻繁に家庭訪問し、真愛ちゃんの安全確認と、特に内縁の夫に対して面会しての指導、警告を実施、④の時点で、ほんとうに真愛ちゃんは親戚の家に行っているのか、衰弱しているので面会させないようにしているのではないかということにつき警察に調査・確認を依頼するなど、情報共有し、連携・協力した活動をしていれば、真愛ちゃんを救うことができました。

真愛ちゃん救うことができなかったのは、児童相談所の人員不足が原因ではありません。今の人員でも上記のように警察と連携していれば真愛ちゃんを救うことができたのです。真愛ちゃんを救うことができなかったのは、児童相談所の縦割りで、警察と情報共有も連携もしないという他機関を排除する排他的体質が最大の原因です。

一つの機関だけで対応できるほど児童虐待は甘いものではありません。このままではこれからも同様の事件が続くだけです。岡山市には真剣に考えていただきたいと思います。本要望書提出の後も、岡山市(岡山県にも本要望書を提出しておりますので岡山県にも)には粘り強く、児童相談所、市町村、警察が全件共有し連携した活動を行う態勢の整備を求めて働きかけて参ります。