ブログ24 「所在不明児童1603人」との産経新聞の報道がありました

 昨日(2014年7月21日)付けの産経新聞に、29都道府県で所在不明の18歳未満の子どもが1603人いることが、産経新聞の調査で分かった、無回答の自治体もあり、所在不明の子どもはさらに多くに上ると報じられています(同紙には私のコメントも紹介されています)。この問題は最近各紙に取り上げられるようになり、マスコミ、国民の関心は高まっていると思います。問題は、国と自治体の対応です。

 この調査では「ゼロ」と回答している自治体がかなりあります。目視で子どもの安全を確認せずに親の「祖父母に預けている」などの言葉だけで「所在確認」としている自治体はないのか不安があるほか、乳幼児健診未受診の子どもは健診実施時ごとに常に5%程度はいるわけで、未受診の子どもたちの中に所在不明の子どもがいないかどうかは、常に「調査中」のはずで、どういう調査をもって「ゼロ」と回答しているのか確認したいと思っています。
 命に危険のある所在不明の子どもは、常に生まれ続けているのであって、今回の特別調査で事足れりでは決してありません。子どもを守るための制度として、恒常的に所在不明児童を調査し、発見し、保護する制度、具体的には、市町村内の関係部局間、異なる市町村間との情報共有のルールと市町村の調査で判明しない場合の警察への捜索届、それを受け警察が直ちに捜索を実施すること、までを法制度として整備することが必要不可欠です。そうしなければ、今回の特別調査だけで終わり、何の解決にもならないことになってしまいます。
 何度も繰り返しますが、法律で義務付けしなければ、市町村の「個人情報保護と守秘義務」を言い訳とする情報を共有しない体質はそう簡単には改まりません。警察にも直ちに捜索することを義務付けなければ、横浜市あいりちゃん事件で見られたように捜索届を受理しない、あるいは捜索を後回しにされてしまうおそれもあるのです。また、法律を整備しないと市町村や都道府県、警察のトップの意識も変わらず、必要な体制や予算もつかず、研修も実施されず、今まで通りの現場任せとなり、いつまでたっても何も変わらないのです。
 何度も読んでいただいている方には恐縮ですが、再々再再度、整備すべき法律の概要を掲げます。国に直ちに法整備を求めます。

(1) 市町村は、所在不明の就学年齢でありながら未就学の児童、健康診査未受診乳幼児について、関係部局間及び転出先の市町村、児童相談所との間で必要な情報提供、情報共有を行うとともに、これらの子どもの所在を調査し、その安全を目視で確認しなければならないこととする。

(2) 市町村、児童相談所は、子どもの所在又は安全を確認できない場合には警察に発見・保護を要請するものとし、警察は直ちに子どもの捜索を行わなければならないこととする。

(3) 自治体、郵便局、電話会社等の関係機関は、警察から所在不明の子どもの発見・捜索のため、親の転居先、関係者の住所、電話の通話先、携帯電話の位置情報等子どもの所在の発見に資する情報の提供の要請を受けた場合には、これらの情報を提供することとする。