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2015年7月15日、自民党に法整備を求める要望書を提出しました。

要望書 新聞記事

虐待が子どもに与える深刻な影響と心の傷のケアが必要な理由

虐待が子どもに与える深刻な影響と心の傷のケアが必要な理由

虐待を受けた子どもは虐待から救われたのちにもどのような影響をうけるでしょうか。傷つけられた体の傷や食事を与えられていなかったことによる発育不良や知的発達の遅れのほか、心の領域にも深刻な影響が及び、行動面にも様々な問題が現れることがあります。

(1) 身体的発育への影響

虐待を受けた子どもは発育が遅れることが多くみられます。十分な食事や栄養が与えられないため発育不良には当然なるのですが、保護されて栄養が十分に与えられるようになっても、発育が十分になされないことも少なくないといわれています。これは、幼いころから虐待を受け続け、養育者から愛情を注がれなかった心理的影響が発育面にも影響を及ぼすといわれています。

(2) 知的発達への影響

頭を殴打される、強く揺さぶられるといった頭部への外傷を加えられることにより、脳や神経系に障害が加えられた結果、知的障害になることは多くあります。そのような傷害を加えられなかった場合でも、親から虐待を受け続けたことによる心理的な影響や、発達に不可欠な幼少期の好奇心を満たす「遊び」が暴力的に抑圧されるため、知的な発達が遅れると言われています。

(3) 心理的な影響

虐待を生き延びた場合にも、適切な治療を受けない場合、生涯にわたり心に大きな問題が残ります。

心に傷(トラウマ)が生じ心に様々な問題が起こる

虐待に限りませんが、非常に強いショックを受けた場合には、その後も心に傷が生じることが多くあります。幼少期に虐待を長期間受け続けた場合には、それが非常に大きな問題となり、様々な症状として現れます。

  • 虐待されたことを繰り返し突然に思いだし、苦痛を感じる(侵入性症状群)
  • 虐待に関連する事項、人、活動などを回避し、記憶が抜け落ちる(解離性健忘)やまるで別人になってしまったかのようにふるまうという(解離性同一性障害)など(回避・麻痺性症状群)
  • ささいな刺激で非常に激しい怒りを持ち、その怒りを暴力的衝動や破壊的行動で表現したり、あるいは自分自身の体を傷つける自傷行に走ったりするなど(過覚醒症状群)

劣等感や無力感を強くもってしまう

人は生まれてから数年間で、親から愛され慈しみを受けて育てられることにより、人や社会一般に対して基本的な信頼関係を持ち、自分に自信を持つことができると言われています。幼少期に虐待を受け続けた場合には、人や社会に対して信頼関係を持てず、自分に自信を持つこともできず、繰り返し親から「お前は悪い子だ、だめな子だ」といわれ続けた影響も受け、劣等感や無力感を持ち、自分に対する評価が低くなってしまいます。

良好な人間関係をつくることが困難に

最も愛されるべき親から愛されず、逆に虐待を受け続けた結果、人を信用することができず、うまく周囲の人と人間関係を作っていくことが困難になることが多いといわれています。
特に、「虐待関係の反復傾向」が生じることがあると言われています。これは、虐待を受けた子どもが虐待した親以外の大人に対しても挑発的態度や反抗的態度をとり神経を逆なでさせ自ら「虐待的関係」を引き起こしてしまう傾向をいいます。その理由として、虐待を受けた子どもは虐待的関係以外の大人とのかかわりあいを知らないという事情やそのような行動を繰り返すことによって虐待というショックを和らげるようとしているのではないかと考えられます。

強い攻撃性を持つことがある

虐待を受け続けた子どもはそうでない子どもに比べ強い攻撃性を持つことがあります。これは心理的に2つの理由があると言われています。

  • 親との同一化
    虐待された子どもは親からの暴力に対して無力感や絶望感を強くもつようになってしまいます。それを克服するために、自分を虐待した親と同一化し、暴力をふるうようになってしまうということが考えられます。
  • 解決方法の学習
    親が子どもに対して殴るなどの虐待行為を行うのは、トラブルの解決方法として暴力をふるうという面があります。虐待を受けた子どもは親からトラブルの解決方法として暴力をふるうということを学習しており、それを自分も利用するようになってしまうということが考えられます。

特に思春期以降問題行動が起こる

以上のような心理的な悪影響を受け、適切な治療がなされない場合、特に思春期以降様々な問題行動を起こしてしまう場合があります。

  • 乱暴・多動
    攻撃性が強くなってしまった子どもの場合、乱暴なふるまいや落ち着きのない行動が多くなり、中学生以降では非行少年と評価されてしまうこともあります。
  • 徘徊・家出
    4、5歳の子どもから見られますが、虐待され続ける家にはいたくないので、徘徊・家出をすることが多くなります。
  • 自殺企図
    虐待を受け続けた結果、自分に対して劣等感や無力感を持ち、生きていても楽しくないと感じ、自殺企図を行うことがあります。
  • 非行
    虐待の結果として生じた攻撃性の結果として、あるいは劣等感や無力感を克服するために、非行や性行動に走ってしまうことがあります。
  • 性的問題
    性的虐待を受けた女子は思春期以降に、行きずりの男性と性的関係を多く持つなどの行動をとる場合があります。これは、父親から性的虐待を受け続けた結果、大人との関係をそのようなものとしてしか捉えることができなくなったなどの影響があると言われています。
    最後に、虐待を受けた子どもと少年非行との間には密接な関係があることが調査により明らかにされています。わたしも警察勤務の折には、しばしば非行少年に虐待を受けている事例があることを経験していました。
    前に述べたように、虐待を受けた子どもは自己評価が低い、対人関係がうまくとれないという影響がみられ、対外的に不適応行動として現れることが指摘されています。法務総合研究所が全国の少年院在院者約2300名に行った調査では、50%の子どもに虐待の被害体験があり、虐待の体験のある女子の過半数が「虐待を受けたために非行に走るようになったと思う」と答えた、という調査結果となっています(法務総合研究所「法務総合研究所研究部報告11―児童虐待に関する研究」(平成13年3月))。
    また、世間の耳目を引いた凶悪犯罪の加害者が子ども時代に虐待を受けていたとされている事案は少なからずあります。最近の著名な事件は次のとおりです。

石巻2人殺傷事件

平成22年2月、18歳の少年が暴力を振るっていた元交際相手の女性との復縁を求めて、女性が身を寄せていた知人宅に包丁を持って押し入り、女性の姉と友人を殺害し、他1名に重傷を負わせた事案。少年は、幼少時、母親から暴力を受け、祖母宅で育てられ、中学生当時母親に対して暴力を加えていた。なお、少年は被告人質問で母親が幼い自分ではなく暴力を振るう男性に好意を寄せていたと感じたと供述。このため「(元交際相手の女性に)暴力を振るう自分も間違っているとは当時思いませんでした」と述べている(平成22年11月19日毎日新聞)。

虐待を受けた子どもに接する場合にはこのような深刻な影響が生じていることを理解して対応する必要があります。何よりも、このような悲惨の人生を歩まさせることのないよう、また、第三者に危害を及ぼさせることのないよう、できるだけ虐待される子どもを少なくし、できるだけ早く助け出し、必要な治療や精神的ケアを受けさせる必要があるのです。