有効な対策を講じない
政治・行政への怒りのブログ

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2015年7月15日、自民党に法整備を求める要望書を提出しました。

要望書 新聞記事

法改正の提言

親の虐待により子どもが殺されないために必要な法改正を直ちに

最近、子どもに食事を与えず餓死させる、ゴミ箱の中に入れて窒息死させる、長期間にわたる激しい暴行を加えて殺害するなどすさまじい虐待の末に子どもを死に至らしめる児童虐待事案が相次いで発覚しました。

わが国では子ども親の所有物であるかのような意識が強く、体罰もしつけとして容認する風潮、子どもを性の対象として容認する風潮があり、児童虐待に関する社会的関心も薄く、法整備も遅れています。

ようやく平成12年に児童虐待防止法が制定され(16年、19年に改正)されましたが、多くの欠陥ある法律であり、さらに、児童ポルノや性的虐待に関する規制も不十分なままで、事態は改善していないどころか、悪化の一途をたどっています。

最近の事案でも、近所の住民は虐待が行われていることを知りながら通報しない、あるいは、児童相談所や学校が虐待を、保健所が乳幼児健診を受診していない家庭であることを、それぞれ把握していながら有効な対応をとっていない、などの事案が少なくありません。特に、児童相談所は人員不足という問題のほか、その判断能力、対応能力に重大な懸念があります。

さらに、虐待が疑われる家庭への強制的な立入りは、要件が過重で迅速性に欠け、ほとんど機能していません。
一人でも多くの虐待されている子どもを救うためには、国民が虐待ではないかとの疑いを持った場合には積極的に関係機関に通報すること、児童相談所や学校、病院、保健所、警察などの関係機関が情報を共有し、一つの機関が抱え込んで対応が遅れるという事態を避けること、命の危険が疑われるような場合には対処能力を持った機関が迅速に子どもを救いだすことができるようにすること(というよりも義務付けること)、虐待を受けた子どもに必要な治療や精神的ケアを受けさせることが必要です。

虐待を受けた子どもは適切な治療・カウンセリングを受けなければ、心に受けた傷(トラウマ)によりその後の人生に様々な困難が生じ、思春期以降非行や性的逸脱行動、自殺企図等様々な問題行動をとる危険が少なくありません。ところが、被害児童の多くが適切なケアを受けられぬまま、一生苦しんでいる実態にあり、被害児童のこころの傷に対する治療・カウンセリングの実施が急務となっています。

次に、虐待される子どもを一人でも少なくするためには、虐待行為の厳罰化が必要です。現行法では、すさまじい虐待により子どもを殺害した場合でも、裁判で殺意がなかったとして、軽い処罰にとどまることが少なくありません。このような甘い処罰が虐待を助長させていることは疑いありません。そこで、刑法を改正し、虐待により子どもを死に至らしめた場合等には、厳罰を科することとすることが必要です。家庭という密室の中で助けを呼ぶすべもなくい子どもを、すさまじい虐待により死に至らしめる等の行為は、残虐性、悪質性が高いことは明らかであるからです。

刑事的規制には謙抑的に対処することが重要なことは承知しております。しかし、被害者が成人である場合と、被害者が子ども、特に家庭という密室の中で助けを求めることもできず逃げることもできない子どもの場合とでは、刑事的規制の在り方に差異をつけることは許されると考えます。(*慶応大学法学部中谷瑾子元教授「児童虐待を考える」参考)

一方で、虐待親に対し、虐待を止めさせるため治療やカウンセリングを強制的に受けさせる制度を設けることや、虐待してしまうリスクを有する親に対する支援の充実も必要です。中でも、虐待してしまう大きなリスクとして貧困が挙げられます。特にシングルマザーに対しては元夫からの養育費の支払いがなされないことから貧困に陥り虐待に至ってしまう事例が少なくありません。そこで、虐待してしまうリスクを少なくするためにも、養育費の不払いをできるだけ少なくするための新しい制度の創設が必要です。

核家族化の進展、地域社会の連帯意識の希薄化等に伴い、家庭あるいは地域社会の連帯感、犯罪抑止機能は急速に失われてきています。その結果、家庭内という密室で外部に助けを求めることができない子どもが、親により生命の危険にさらされ、親による虐待で多数の命が奪われるという事態となっています。そのような子どもを救うのは社会、国家の最大の責務です。そのために子どもを救うことのできる体制と能力を有する警察という社会資源を使うことを躊躇するべきではありません。平成16年の児童虐待防止法の改正の際に虐待が疑われる家庭への立入りを警察に認めるかどうか検討されましたが、「警察権力の濫用が懸念される」とする民主党の反対で導入されませんでした。その結果、子どもの命を救えなかった事案も多数あるのではないかと思います。子どもの命を救うために警察を使わなくてどうするのか、それとも、子どもが虐待死するたびに警察権力の濫用がなされなくてよかった、そううそぶく社会でいいとでもいうのでしょうか。
以上から、次のような法制度及び運用の改善が必要と考えます。

法制度及び運用の改善

1・児童虐待防止法、刑法等関係法令を改正し、

    (児童虐待防止法・児童福祉法)

  • 禁止される性的虐待について、具体的な行為を列挙し、それらの行為を罰則で禁止する(「性的虐待罪」)。
  • 虐待が疑われる事案の通告先に警察を追加する。
  • 学校、病院は虐待案件に適切に対応するための組織の設置、研修の実施等を行わなければならないこととする。国は、学校・病院向けの虐待対応ガイドラインを作成するものとする。
  • 国、地方自治体に対して、上記通告義務について常に周知徹底を図ることを義務付ける。
  • 児童相談所、学校、医療機関、保健所、警察等が虐待が疑われる情報を入手した場合には必ず他の関係機関に対して速やかに通報することを義務付けるとともに、虐待されている子どもの全国的な登録制度を設ける。
  • 関係機関は連携して迅速に対応する義務を課する。義務の懈怠の結果、子どもの命が奪われ、あるいは重大な障害が生じた場合には厳格な懲戒処分を課することとする。
  • 児童相談所が子どもの安全を最優先として一時保護を行うことを義務づける
  • 虐待の疑いがあり子どもの安否が確認できない場合には、裁判官の令状なく児童相談所、警察が家庭に迅速に立ち入ることができることとする。また、子どもを緊急に保護する権限を警察に認めることとする(ただし、短時間に限る)。
  • 虐待を繰り返し行う親等に対しては、退去命令、接近禁止命令等虐待を防止するための強制力ある措置を課すことができるようにするとともに、虐待予防プログラムの受講等治療のための措置を受けることを義務付ける。
  • 虐待対応の基本的考え方や一時保護、施設入所の判断基準について法律及びそれに根拠を有するガイドラインで規定する。
  • 虐待を受けている又はその疑いのある子どもは、親権者の同意なくして、必要な治療・カウンセリングを受けることができることとする。
  • 児童養護施設の入所期限(現在18歳まで)を延長する。
    (児童ポルノ禁止法)

  • 児童ポルノの単純所持を罰則で禁止する。
    (刑法)

  • 刑法に特別の条文を設け、親・同居人等が繰り返しての虐待行為により子どもを死に至らしめた場合には「虐待致死罪」とし、厳罰を科することとする。
  • 強姦罪、強制わいせつ罪につき子どもに対する行為については、成人に対する場合より厳罰化する。また、起訴に際し告訴を不要とする。
    (刑事訴訟法)

  • 性的虐待を受けた子どもの事情聴取を子どもに負担をかけずに行うための方法を規定し、その録取記録に証拠能力を認める制度を設ける。
    (民法・その他)

  • 養育費の支払いを実効あるものとするため、協議離婚の際の養育費の決定及び協議書作成を原則義務化し、養育費の源泉徴収制度の実施ないしは不払いに対する罰則による担保等の制度化を行う
  • 子どもの虐待死の見逃しを防止するため子どもの死因検証制度を整備する。
  • 子どもの健康診査受診・定期的な子育て指導を受けることを条件として経済的困難にある家庭への子育て手当てを支給する。

2・トレーニングを実施

児童相談所、警察の子ども虐待防止に従事する人員を増員し、担当職員に対して必要な専門的知識の付与、トレーニングを実施する。

3・治療・カウンセリングを実施

虐待を受けた子どもの身体的・精神的ケアのための治療・カウンセリングを行うための施設・態勢を整備するとともに、公費により、心の傷を含めた治療・カウンセリングを実施する。

4・今でもできることは直ちに

上記の提言の実現に向けて取り組んでいきたいと思いますが、その実現には長い時間がかかることと思われます。法改正を待たずにも今でもできることは、すぐ行うべきです。そして、今でもできることは、虐待を生き延びた子どもに対して必要な治療と前向きに人生を歩んでいけるための精神的ケア・支援を実施することです。

既に述べましたように、虐待を生き延びた子どもは、親から虐待を受けていたことで、自分に自信が持てず、人との信頼関係を結ぶことが困難となることが多く、適切な治療や精神的ケアを受けないと、深刻なトラウマが生じ、リストカットや薬物使用、犯罪や非行に入ることも残念ながら見受けられています。児童養護施設に入所している子どもや在宅指導措置とされている子どもはもちろんのこと、児童相談所や警察等の公的機関に把握されていない虐待された子どもも大勢います。こうした子どもたちの中でトラウマを抱え、生きることに困難を覚えている子どもたちに適切な治療や精神的ケアを受けさせることは今でもできるのです。

警察、児童相談所、学校、病院等の機関では職務上接する子どもに、虐待を受け、治療や精神的ケアを受けさせることが適切でないかと思われる子どもを発見した場合には、専門的な医師や臨床心理士に治療や精神的ケアを受ける機会を与えることが必要です。現在は、児童相談所が児童養護施設に入所している子どもの中から、予算の範囲内で、治療を受けさせている程度が実態だと思われますが、治療や精神的ケアが必要な子どもは極めて多数に上り、大多数は何らの治療も精神的ケアも受けることができていないのが実態だと思います。
警察では、少年サポートセンターを設置し、非行少年の立ち直り支援を行っていますが、非行少年の立直り支援の施策の中で、虐待により受けた心の傷の治療

  • ケアに配慮してほしいと考えています。現時点でできることは、このような少年
  • 少女を一人でも多く発見し、できる範囲の治療・ケアが施されるよう児童相談所

や市町村など関係機関に働きかけることぐらいだと思いますが、ぜひ取り組んでほしいところです。

このような取組はもちろん制度化されるべきでありますので、警察が保護・補導等した子どもや病院・学校等で把握した子どもの中で、治療や精神的ケアを受けることが望ましい者を把握した場合には、担当機関に連絡の上無償で必要な治療や精神的ケアが受けることができるような制度とする必要があります。

しかし、このような制度を国や自治体が整備するのはおそらく長い期間がかかると思います。それまで何もせず放置していい問題とは思いません。私どもNPO法人シンクキッズー子ども虐待・性犯罪をなくす会では、虐待を受けた子どもに専門的な医師や診療心理士から適切な治療や精神的ケアを受けることができるように努めていきたいと考えております。これからの取組ですが、少しでも多くの子どもたちに適切な治療や精神的ケアがなされるよう、専門的な医師や臨床心理士の方と協力して努めてまいりたいと考えております。