有効な対策を講じない
政治・行政への怒りのブログ

病院、保健所、学校など児童相談所の子どもの一時保護しないなどの措置に不安がある方からの通報、相談を弁護士がお受けします。

児童相談所の不適切な対応により、子どもが死亡した事例はコチラ

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2015年7月15日、自民党に法整備を求める要望書を提出しました。

要望書 新聞記事

これまでの主な虐待死の事例はこちら

これまでの虐待死などを防げなかった事件とその教訓

事件1 [神奈川県厚木市理玖ちゃん所在不明餓死事件]

2014年5月31日、神奈川県厚木市のアパートの一室で子どもとみられる白骨遺体が見つかった事件で、食事や水を十分に与えず、約7年前に男児の斎藤理玖ちゃん(当時5歳)を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで父親が逮捕された事件。
理玖ちゃんは3歳当時朝の4時半に路上にいたところを警察官が保護し、児童相談所に迷子として保護され、その後3歳6月乳幼児健診未受診でありながら、警察、児童相談所、厚木市ともその後の安否確認を一切行わないまま放置し、その間母親は家を出、同居していた父親から食事を与えられず、5歳当時餓死させられた。
その後就学年齢になりながら小学校に入学しなかったにもかかわらず、最初に把握してから10年間の長きにわたり児童相談所、厚木市ともまともに探しもせず、警察に届けもせず放置していた。理玖ちゃんが中学校就学年齢になりながら中学校に入学せず、厚生労働省から所在不明児童の調査要請があったことから、児童相談所がようやく警察に相談したことから発覚した。

→警察、児童相談所が迷子というよりもネグレクトの疑いが強い事案で保護した後、ほったらかしにせず、さらに、厚木市が乳幼児健診未受診であったことを把握した時点で、警察、児童相談所、厚木市のいずれかの機関が理玖ちゃんの安否確認をし、一時保護を含め適切な対応をすれば、殺害されることは防げた
→厚木市・教育委員会、児童相談所が小学校に入学していないことを把握した時点で、警察に捜索届を出し、警察が捜索すれば、早期に殺害されていたことを発見できた。

事件2 [東京都葛飾区愛羅ちゃん虐待死事件]

2014年1月30日、東京都葛飾区で坂本愛羅ちゃん(2歳)が肝臓損傷で失血死し、ろっ骨が折れ、40か所も体にあざがあり、父親が逮捕された事件。児童相談所は愛羅ちゃんを「見守り中」であったが、児童相談所から警察に情報提供はなかったため、殺害される5日前に110番通報で臨場した警察官が「夫婦喧嘩です」という親の嘘に騙され、40か所もあったあざを確認できず、虐待と認識できなかった。

→児童相談所から予め「見守り中」との情報提供があれば現場に赴いた警察官はより慎重に虐待の有無を調査でき、親に騙されることなく虐待を見抜けた
→虐待を見抜けていれば、法律上警察が子どもを保護することができるという制度であれば、警察が保護することにより殺害されることは防げた

事件3 [豊橋市望玲奈ちゃん虐待死事件]

2013年12月、豊橋市で当時7カ月の望玲奈ちゃんを父親が体を強く揺さぶるなどの暴行を加えて虐待死させたとして父親が逮捕された事件。2012年2月、病院に入院していた双子の乳児の紅玲愛ちゃん(姉)が、病室で父親が一人で看護中硬膜下血腫という傷害を負い、医師が虐待の疑いが高いと判断したにもかかわらず、双子の妹である望玲奈ちゃんを児童相談所が一時保護せず、退院を認め自宅に戻し、その5ケ月後に望玲奈ちゃんが殺害された事件。姉の紅玲愛ちゃんも2013年7月入院したまま病院で死亡している。

→児童相談所が医師の専門的判断に従っていれば、殺害されることは防げた

事件4 [栃木県芳賀町来夢ちゃん虐待死事件]

2013年12月、栃木県芳賀町で当時4カ月の来夢ちゃん(次男)を父親が体を強く揺さぶるなどの暴行を加え虐待死させたとして父親が逮捕された事件。2012年6月、来夢ちゃんの顔のあざを保育士が確認し児童相談所にも連絡。町が家庭訪問し2度目のあざも確認したが緊急性はないと判断した2日後に来夢ちゃんは意識不明の重体で入院し、その後死亡した。なお、児童相談所は長男も一時保護していたが来夢ちゃんが死亡後、養育環境が整ったとして児童相談所が長男を家庭に戻していた。

→児童相談所が一時保護していれば殺害されることは防げた。
→幸い長男は殺害されなかったが、虐待により次男の来夢ちゃんを死亡させた父親の元に長男を戻していた児童相談所の判断は極めて危険であり、児童相談所の一時保護の解除の適正化が必要。

事件5 [東京都大田区居所不明児童事件]

東京都大田区で2011年3月生後間もない次女を遺棄したとして両親が2013年10月に逮捕された事件。2004年12月次男への虐待の通報で家庭訪問した児童相談所が長男の不在を把握したが、その後転居して所在不明となった。児童相談所は所在を毎年追跡調査し、2013年8月、母親が大田区に住民登録していることを把握し、警察に通報し、検挙された。なお、児童相談所は2005年に警視庁赤羽署に長男の行方不明を届け出たとしているが、警視庁はそのような記録はないとしている。

→虐待家庭の全国データベースがあれば早期に発見できた可能性がある
→(事実関係は不明であるが)警察が捜索活動を行っていれば早期に子どもを保護することができた可能性がある

事件6 [和歌山市星涼ちゃん虐待死事件]

2013年7月、和歌山市で2歳の星涼ちゃんが父親から頭部に暴行を受けくも膜下出血で殺害された事件。父親は2011年11月当時2か月の星涼ちゃんに足骨折等の傷害容疑で逮捕されていたが起訴猶予処分を受けていた。2012年2月から児童相談所により一時保護され乳児院に入所していたが、児童相談所は一時保護を2013年6月に解除し、自宅に戻し、その約1か月後に父親により殺害された。

→児童相談所が安易に危険な保護者に引き渡さなければ、殺害されることは防げた

事件7 [横浜市あいりちゃん所在不明虐待死事件]

2013年4月、あいりちゃんが母親と同居男性から暴行を受け虐待死させられ、雑木林に埋められていたことが発見された事件。あいりちゃんは松戸市に居住中、小学1年生になったにもかかわらず母親が入学させず、それを把握していたにもかかわらず松戸市は転居先の秦野市に連絡せず、秦野市もそれを知った後も長期間調査しなかった。警察が110番通報により臨場し、児童相談所に虐待の通告をしたが、児童相談所が訪問しないうちに、警察も再度安否確認することもないまま、2012年7月あいりちゃんは殺害された。その後家族も所在不明となったため、児童相談所が神奈川県南警察署に相談したが当初警察は捜索活動を行わず、警察が本格的な捜索に乗り出したのが大いに遅れた。

→法律上警察が子どもを保護することができるという制度であれば、警察が110番により現場に臨場した時点で保護することにより殺害されることは防げた
→警察が児童相談所に通告後も巡回連絡してあいりちゃんの安否を確認していれば、殺害されることは防げた可能性が高い
→市町村が未就学であったあいりちゃんの発見・保護のために、情報提供・情報共有、警察への早期の捜索依頼をしていれば、殺害されることは防げた可能性が高い
→警察が児童相談所からのあいりちゃんの捜索依頼に積極的に対応していれば、(既にあいりちゃんは殺害されていたが)早期に逮捕し、他の兄弟を早期に保護することができた(本事案では他の兄弟に対する虐待の危険もあった)。

事件8 [広島県府中町唯真ちゃん虐待死事件]

2012年10月、児童相談所の判断により児童養護施設から母親の元に戻されていた小学5年生の唯真ちゃんが母親からゴルフクラブで殴打され殺害された事件。唯真ちゃんは母親の虐待により保護され、その後家庭復帰させられた後、再び母親の虐待により保護されていたが、再度児童相談所が母親の要請に応じて、唯真ちゃんの意思を確認しないまま家庭復帰を決定し、母親の元に戻してしまった。しかも、児童相談所はその後厚生労働省の指針に定められている安全確認も一切していなかった。

→児童相談所が安易に危険な保護者に引き渡さなければ、また、引き渡した場合でもその後定期的な安全確認をしていれば殺害されることは防げた。

事件9 [豊橋市杏奈ちゃん衰弱死事件]

2012年9月、4歳の杏奈ちゃんが衰弱死させられた事件。杏奈ちゃんと3歳年上の兄は、乳幼児健診未受診、未就学児童であったが、家族が転居の際、住民票の異動届を出さなかったため、市保健・虐待担当部局、教育委員会は所在が分からなくなり、児童相談所や警察に捜索依頼をすることもなく放置した。一方、児童手当担当課は父親に児童手当を支給し、父親は児童手当担当課には来所していたが、児童手当担当課は保健・虐待担当部局、教育委員会にその事実を連絡していなかった。

→市町村が未就学児童の発見・保護のために、情報提供・情報共有、警察への早期の捜索依頼をしていれば、殺害されることは防げた可能性が高い
→(本事案では市が郵便局に情報提供依頼をしたかどうかは不明だが)転居先の住所を郵便局が市の依頼に応じ情報提供することとしていれば、殺害されることを防ぐことができる可能性が高い

事件10 [北海道登別市みさとさん虐待死事件]

2012年6月、中学校特別支援学級に在学していたみさとさんが、母親の同居男性に暴行を受け殺害された事件。児童相談所は、知的障害者施設に入所していたみさとさんを、同居男性がいること、同居男性は母親に対してDV加害歴があること等を把握しながら、自宅に戻ることを認め、その後も安全確認をしていなかった。

→児童相談所が安易に危険な保護者・同居者に引き渡さなければ、殺害されることは防げた

事件11 [江戸川区小学生兄妹無理心中事件]

2012年4月、東京都江戸川区で、小学4年の晃輝くんと2年の鈴菜ちゃんの二人が母親と叔父による無理心中により殺害された事件。2011年12月晃輝ちゃんが上着なしで路上で泣いているのを住民が発見、区に通報。翌年1月に父親が自殺、母親が死にたいともらし、無理心中3日前には練炭のボヤ騒ぎがあるなどしていた。区は児童相談所に通告しなかった。

→区が児童相談所に通告し、児童相談所が一時保護等適切な対応をしていれば殺害されることは防げた可能性が高い

事件12、13、14[大阪府富田林市、大阪市東住吉区、福岡市居所不明児童事件]

小学校入学年齢となりながら小学校に入学手続きがとられていなかった子どもについて、市町村、教育委員会などの関係機関が十分な調査をせず、いずれの子どもも生後直後に殺害ないしは死に至らしめられていたことが数年後に発覚した事件。
大阪府富田林市の事件(2012年4月発覚)では、子どもが4カ月健診、1年6月健診を受診しなかったため当時両親が居住していた太子町が何回か家庭訪問したが子どもに会えないままであった。その後両親は富田林市に転居したが、太子町は富田林市に乳幼児健診未受診であることを連絡しなかった。富田林市は小学校入学前の健診を受けなかったため職員が家庭訪問したが子どもの安否を確認することなく、親族の「養護施設にいる」という説明をうのみにし、児童に医療機関の受診歴も児童手当の申請もなかったが調査せず、小学校に入学させる手続きをし、2年生になった時点で小学校から籍を抜いていた。親族から住民票から男児の籍を抜いてほしいという相談があるまで2年間何の調査もせず、警察にも相談しなかった。警察の捜査により、児童は生後すぐ死亡し、遺棄されていたことが判明した。
大阪市東住吉区の事件(2013年2月発覚)では、生きているとして児童手当が詐取されていた。大阪市は、児童が乳幼児健診を受けなかったため職員が10回家庭訪問していたが、子どもは元気にしているなどの保護者の言をうのみにし、子どもの安否を確認することなく、児童手当を支給し続けていた。
福岡市の事件(2013年9月発覚)では、就学年齢になった女児が入学しないまま2年生となり、ようやく児童相談所に連絡し、児童相談所から警察に相談があり、母親を探し出し、死亡した女児の遺体を遺棄していたことが判明した。

→市町村、教育委員会が乳幼児健診、就学前健診未受診の児童に家庭訪問しても会えない場合に速やかに警察に発見・保護依頼をしていれば、殺害は防げたか、あるいは早期に児童が殺害・死亡していたことが判明した。

事件15 [大阪府東大阪市小学6年女児殺害事件]

2012年1月、小学6年生の女児が母親に包丁で腹を刺され殺害された事件。母親は精神的に不安定で、児童相談所が2010年8月、3人の子どもを保護していたが、2011年8月母親の元に戻した。2012年1月には警察から児童相談所に虐待の通告をし、児童相談所か家庭訪問をしたが立入り調査を拒否され、その3日後に女児は殺害された。

→児童相談所が安易に危険な保護者に引き渡さなければ、殺害されることは防げた
→児童相談所が家庭訪問して調査を拒否された時点で警察に連絡し、警察から親を説得すれば、殺害されることは防げた可能性がある。

事件16 [名古屋市昌己くん虐待死事件]

2011年10月、名古屋市名東区の自宅で中学2年生の昌己くんが母親と交際し自宅に頻繁に出入りしていた男から長期間暴行を受け死亡した事件。昌己くんに対しては育児放棄等により複数回児童相談所に通報があり、一時保護も実施していた。殺害される4ケ月前から顔に殴られた跡があり、学校等から児童相談所に通報が5回もあったが、家庭訪問を繰り返すのみで一時保護せず、最終の家庭訪問から8日後に殺害された。長期間にわたる暴行を把握しながら、児童相談所は警察に通報していなかった。

→児童相談所が一時保護していれば殺害されることは防げた。

事件17 [千葉県柏市蒼志ちゃん虐待死事件]

2011年5月、当時2歳の蒼志ちゃんが両親から食事を与えられず餓死させられた事件。柏市は病院から妊娠中も母親が2回しか健診を受けていないという報告を受け、蒼志ちゃんが生まれた直後から虐待のリスクが高い家庭と判断し、児童相談所に報告していた。市の職員が家庭訪問した際も父親に面会を拒否され、市の児童相談所への報告は「介入措置」を求めるものだったが、児童相談所は家庭訪問したものの、問題なしと判断。蒼志ちゃんは6ケ月健診で体重が平均より2キロも少ない6.15キロで、その後亡くなるまで健診や予防接種を受けていなかった。死亡時の体重は平均真半分に満たない5.8キロで、体内からはのみこんだ紙切れやプラスチック片が見つかった。また、警察による捜査で父親が前妻との間に生まれた子どもに虐待を加えた疑いがあるとして、児童相談所がその子どもを一時保護していたことが判明した。

→児童相談所が一時保護していれば殺害されることは防げた。
→柏市は危機感を持って対応していたが児童相談所に従ってしまった、市の「一時保護すべき」という意見を児童相談所が尊重していれば餓死させられることは防げた。
→警察が法律上保護することができるとされていれば、このような場合に市町村から警察に連絡し、警察が保護することにより餓死させられることは防げた。

事件18 [大阪市立住吉病院不通告3歳児虐待死事件]

2011年1月、阿部颯ちゃん(3カ月)が死亡し、父親と母親が傷害容疑で逮捕された事件。
前年の11月大阪市立住吉市民病院での1カ月健診で左腕骨折が見つかり、さらに両足の骨折も見つかり入院し、医師は考えられる原因としてカルテに「先天的な骨の形成不全」、「ホルモンの病気」、「虐待」と書き込んだが、児童相談所に通告せず、12月10日に退院させたところ、翌日颯ちゃんは呼吸停止状態で病院に搬送され、約1カ月後に死亡した。

→病院が通告していれば殺害されることは防げた。

事件19 [大阪市西区桜子ちゃん楓ちゃんマンション放置餓死事件]

2010年7月、大阪市西区のマンションで母親に養育されていた3歳の桜子ちゃんと1歳の楓ちゃんの姉弟が、母親が友人と遊ぶため鍵を閉めて部屋を出て、1ケ月の間帰宅せず餓死させられた事件。マンションの住民から子どもの泣き声がするとの通報を受けた児童相談所がマンションを5回訪問するも所在が分からず、警察に所在確認依頼をすることもなくそのまま放置していた。また、大阪に転居する前に居住していた名古屋で警察が子どもを保護し、児童相談所に通告していたが、大阪に転居したため、この家族の情報を大阪の児童相談所、警察とも把握していなかった。

→児童相談所が通報されたマンションの部屋が分からない場合に警察に通報し、所在確認依頼をしていれば餓死させられることを防げた可能性がある
→本事案では住民票の異動の届け出がなかったが、虐待家庭の全国データベースが整備されていれば、住民票の異動など何らかの手かがりがあれば対応できた可能性がある

事件20 [久留米市萌音ちゃん虐待死事件]

2010年6月、母親と二人暮らしの5歳の保育園児の萌音ちゃんがマンションで母親に立たされたまま首に7キロものペットボトルをかけられ苦しみのあまりもがいて心臓が破裂し殺害された事件。保育園から児童相談所に虐待通告があり、その後も何回もあざができているのを把握し、母親が虐待を自認し、アルコール依存症のおそれもあったにもかかわらず、児童相談所は一時保護しなかった。

→児童相談所が一時保護していれば殺害されることは防げた。

事件21 [大阪府内病院不通告1歳児虐待死事件]

2010年4月14日、岩本隆雅ちゃん(1歳)が内臓損傷による出血性ショックで死亡し、母親の内縁の夫が傷害致死容疑で逮捕された事件。
同月3日、母親が松原市の病院を受診。隆雅ちゃんの額が内出血で変色して膨れ上がっており頭蓋内出血が疑われ、同市内の総合病院を紹介。同病院は虐待を疑ったが母親が「絶対に違う」と強く否定したため通告しなかった。同病院でも手に負えず、堺市内の総合病院に搬送された。いずれの病院も児童相談所に通告しなかった。

→いずれかの病院が通告していれば殺害されることは防げた。

事件22 [兵庫県三田市夏美ちゃん虐待死事件]

2009年11月、5歳児の夏美ちゃんが同居する継母により頭部を強く揺さぶられ硬膜下血腫により殺害された事件。同年5月継母による身体的虐待により一時保護されたが、わずか1ケ月で解除し、自宅に戻し、その後も二度も子どもに傷があることを確認しながら、一時保護しなかった。

→児童相談所が安易に危険な保護者に引き渡さなければ、さらに、引き渡した後でも一時保護していれば、殺害されることは防げた。

事件23 [大阪市西淀川区聖香ちゃん虐待死事件]

2009年4月、小学4年生の聖香ちゃんが母親の同居男性により連日暴行を受け殺害された事件。学校は聖香ちゃんの顔にあざがあるのを確認しながら、「見守り」が適切と判断し、児童相談所、警察に通報しなかった。殺害される直前に、近隣住民から騒がしいからDVでないかと110番通報があり、警察官が臨場したが、母親から夫婦喧嘩と弁明され、虐待を確認できず、その2週間後札がされた。

→(本事案は児童相談所が虐待の情報を把握していないケースであるが)、児童相談所が把握しているケースの場合には警察に情報提供がなされていれば、現場に赴いた警察官が親に騙されることなく虐待を見抜けた
→警察が虐待を見抜くことができていれば、法律上警察が子どもを保護することができるという制度であれば、警察が保護することにより殺害されることは防げた

事件24 [川崎市愛芽ちん虐待死事件]

2008年11月、3歳の愛芽ちゃんが母親と同居男性から殴られる、水ぶろに長時間つけられる、水の入ったペットボトルを持った手をガムテープで固定したまま立たせられたままにされるなどの凄まじい虐待被害を繰り返し受けていたが、腹部を強打され、殺害された事件。児童相談所は、保育所から通告がなされ、男性との同居も知りながら、リスクアセスメントの見直しもせず、親と面談もせず、一時保護もしなかった。

→児童相談所が一時保護していれば殺害されることは防げた。
→保育所は危機感を持って対応していたが児童相談所に従ってしまった、保育所の意見を児童相談所が尊重しなければならないという制度としていれば虐待死させられることは防げた。
→警察が法律上保護することができるとされていれば、このような場合に保育所から警察に連絡し、警察が保護することにより虐待死させられることは防げた。

事件25 [兵庫県伊丹市明日香ちゃん虐待死事件]

2008年5月、5歳の明日香ちゃんが母親から暴力的に揺さぶられ、揺さぶられ症候群で殺害された事件。明日香ちゃんは生後すぐネグレクトにより乳児院に保護され、その後家庭に戻されたが、右腕骨折により虐待によるものとして一時保護され、児童養護施設に入所。その後再度自宅に戻された。その直後から、あざがあるなどとして3度も住民から通報があったが、児童相談所は面接するのみで一時保護しなかった。

→児童相談所が安易に危険な保護者に引き渡さなければ、さらに、引き渡した後でも一時保護していれば、殺害されることは防げた。

事件26 [大阪府岬町景介ちゃん虐待死事件]

2008年2月、生後5ケ月の景介ちゃんが父親に殴り殺された事件。景介ちゃんが右足骨折した際に児童相談所に虐待通告され、その直後に頭部骨折で景介ちゃんが入院し、医師から虐待の疑いありとして一時保護すべきと児童相談所に通告されたが、児童相談所は親が否認したことから一時保護せず、その2週間後に殴り殺された。なお、本事件は大阪地裁で懲役15年の有罪判決が出されたが(平成24年11月6日)、2014年4月30日、大阪高裁で無罪判決が出された(確定)。

→児童相談所が医師の専門的判断に従っていれば、殺害されることは防げた

事件27 [寝屋川市6歳保育園児虐待死事件]

2008年2月、6歳の保育園児が母親と同居の男性から殴り殺された事件。児童相談所に対して、保育所から女児の顔に青あざがあること、母親と同居する男性がいること、養育困難であるという情報を何度も寄せられながら、家庭訪問もせず、保育所に親に注意してくれ、主任児童委員に見守り依頼をしただけであった。

→児童相談所が一時保護していれば殺害されることは防げた。

事件28、29、30 [埼玉県蕨市力人ちゃん餓死事件(2008年2月)・京都府長岡京市拓夢ちゃん餓死事件(2006年10月)・福島県泉﨑村広ちゃん餓死事件(2006年5月)]

いずれの事件も、同居の保護者等から食事を与えられず餓死させられた事件。いずれも、児童相談所、警察とも虐待していることを把握していたが、児童相談所は一時保護を行わず、児童相談所、警察とも家庭訪問、巡回連絡等による子どもの安否確認、保護者等への指導、検挙等をしていなかった。

→児童相談所が一時保護権限を適切に行使すれば、餓死させられることは防げた。
→警察は巡回連絡等により子どもの安否を定期的に確認するようにしておけば、餓死させられることは防げた。また餓死させる前に親を検挙し子どもを助けるべきであった。

事件31[岸和田市中学生餓死寸前事件]

2004年1月、当時15歳の中学生の男子が父親と同居の女から1年半にわたり食事を十分に与えられず餓死寸前で救出されたが、重度の知能障害、身体障害が残った事件。不登校が続いていたことから学校が家庭訪問したが父親らに会わせてもらえず、中学校から児童相談所に2度相談したが、児童相談所は全く何の対応もとらなかった。

→児童相談所が一時保護していれば餓死寸前になることは防げた。

さらに、生後すぐ殺害された事件を除いたすべての事件については、児童相談所から警察に対して被虐待児の情報提供がなされ、警察が児童相談所と連携しつつ定期的に子どもの安否確認と保護者に対する支援を行っていれば、虐待死を防げた可能性が高い。
生後すぐ殺害された事件については、妊娠中・産後直後から、リスクの高い妊産婦であることを把握した病院から市町村保健部局、児童相談所に連絡がなされ、妊産婦に対する適切な支援(養子縁組あっせんを含む)がなされていれば、生後すぐ殺害されることは防げた可能性が高い。